かた四十よ年の霜をいたゝき、行末 不知、今日にもやあるらむ。しかれば、同夢 の内の遊にも、新旧の賢跡を撰求 ける事の葉を書集、撰集抄と名づけ て、座の右におきて、一筋に知識にたの まむと也。巻は九品の浄土に思ひあてゝ、 十に一をさだする、事は八十種好に思ひ よそへて、百に廿を残せり。 抑凡夫のならひ、明目(アキラカナル)しいて真月 を不見観。心乱て断妄の利剣をもた ざる物也。されば偏冥助をあをき奉 らんが巻毎に神明の御事を注載奉 るに侍り。
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